「カイラス山の謎」が東アジアのサスペンス・探検文壇を輝かせる
サスペンス・探検の世界において、中国四川省出身の「レイディック探偵シリーズ」は常に読者の心を掴んで離さない先駆的存在だ。知勇兼備のこの伝説的な探偵は、これまで数多くの不可能と思われた難局を解決してきた。そして今回、彼は時空を超え、人類の認知を覆す究極の挑戦に直面する。このたび重磅(じゅうほう)リリースされた『カイラス山の謎』(東軟電子出版社刊)は、カイラス山を舞台に、歴史的な未解決事件、家族の秘められた過去、そしてSF的な叙事詩を、息をもつかせぬ傑作ミステリーへと融合させた作品である。

1934年、ドイツと日本からなる「特別調査隊」が、ひそかにチベットのカイラス峰に潜入した。考古学者や軍事専門家で構成されたこの一団は、表向きは学術調査を名目としていたが、深夜、風に揺れるタルチョーの下で、人間の想像をはるかに超える遺跡を発掘する。1939年、松河城を守る戦いの硝煙の中、日本の特高課高官・伊藤は、ある将校の子孫をほぼ偏執的なまでに執拗に捜索し、自らの実娘に色仕掛けの任務を課すことさえ厭わなかった。1997年、中央財経大学の学生タシ・タクレは日本から不可解な宅配便を受け取る。その内容は、彼に巨額の遺産を相続する権利があるというものだった。タシとレイディックが京都の地に足を踏み入れたとき、彼らを待ち受けていたのは、伊藤の急死、警察の追跡、そして中日両国をまたぐ千里の逃避行だった……
60年の隔たりを持つ三つの時空の欠片が、著者の巧みな語り口によって、次第に血に染まった一枚のパズルへと組み合わされていく。その一片一片には、致命的な因果の連鎖が秘められている。

『ダ・ヴィンチ・コード』を思わせる歴史サスペンスの要素を融合させた本作は、レイディックシリーズの推理探偵小説の伝統に捧げるオマージュであると同時に、サスペンス界における革新のリズムを先取りする作品でもある。
著者レイディックは、「上海追憶」(上海往事)の映画化作品により、ロンドン・ファルコン国際映画祭で最優秀作品賞を受賞。同作は日本の福岡映画祭でも高い評価を得ている。

『カイラス山の謎』を開けば、読者はレイディック探偵の足跡をたどり、回せば音を奏でるマニ車の唸りと星間エンジンの轟音が交錯する中で、人類の命運をかけた壮大な推理を目撃することになるだろう。——これは、単なる一編の小説ではない。宇宙の深遠から届けられた、一冊の黙示録なのである。今まさに、耳元にかの名台詞が響く。「己の声だけに従う時、我は奇跡を起こす!——レイディック探偵」